Ans.これも歯科医院によって考え方がいろいろあるので、行く歯科医院によって全く逆のことを言われて困ってしまう患者さんをよく見かけます。
ここでは、始める時期によるメリットとデメリットをお話します。
基本的には、早い時期に正しい噛み合わせを作っておくことがいいです。
しかし、たとえば、乳歯の時にきちんとした歯並びの人でも、永久歯になると問題のある歯並びになることもありますし、逆に乳歯の時は悪い歯並びの子供が、永久歯では問題のない歯並びになることもあります。
もちろん、確率的には、乳歯の時にきちんとした歯並びの子供の方が永久歯もきちんと並ぶ確率は高いのですが、乳歯の時から矯正治療を始め、永久歯が全て生えそろうまでの間治療を続けますと、矯正期間がとても長くなります。
それに伴い治療費も高くなり、子供の精神的ストレスもたまり、虫歯へのかかりやすさも高くなってしまうというデメリットが出てくるのです。
乳歯がある早い時期に矯正治療を始めても、短期間で治療が終了し、費用的にも安く終わりそうで、子供の治したいという気持ちが強ければ、早く治療を始めてもいいと思います。
特に子供の頃の歯というのはまだ完成していないために、大変虫歯になりやすいので、長期間に及ぶ矯正治療は、十分に虫歯に対する管理に気をつけないといけないので、できれば避けたいところです。
永久歯が生えそろってからの矯正治療のメリットは、治療期間が最短で終えられることと、本人の治療したいという意志が子供の時より強いため、矯正治療に対する協力度が高く期待できることです。
デメリットとしては、完全に成人になってしまった場合、骨や筋肉の成長が期待できないので、骨格的な問題に対する治療には限界があることです。
一般的にいって、乳歯の時期や10歳ぐらいまでの子供の矯正治療では、予防的な意味合いが強い矯正治療にになりますが、12歳以降の大人を含めた矯正治療は、全ての大人の歯を利用した本格的な矯正治療になります。
それぞれの患者さんによって、求めるものや、おかれている立場、環境など条件が違っていますので、メリットとデメリットを十分考えて、患者さん自身が選択して欲しいと思います。
Ans.芸能人は、有名でお金があるから、特別の治療をしていると思っている人が多いのにはびっくりしてしまいます。そして噂というものが、いかにいい加減なものかということもよくわかります。
歯並びの悪い芸能人は、まずほとんどが、歯を抜いたり、削ったり、被せたりして、見た目の歯並びをきれいにしていますが、噛み合わせに関しては一切変えていないので、体調の改善や顎関節症の治療とは関係なく、美容整形と同じ扱いの治療になります。
彼(彼女)らの治療は、矯正治療に比べて、削ったりするので治療が早く終了して、人が気づいた時には治っているというメリットがあります。
しかし、歯を抜いたり、削ったりしているので歯や体にとってはいいことではありません。
削ったりする治療も、治療してすぐに問題が出ることは少なく、治療後10年、20年経った時に、歯の堅さも弱くなり、虫歯になりやすくなったり、歯が折れやすくなったりします。顔が商売道具の特殊な職業の人達なので、人に気づかれないように短期間で治療を終了することが大切なので、美容的なことのみを考えた、歯を抜いたり、削ったり、被せたりする治療も仕方のないことだと思います。
人によって価値観は違いますから、体調が良くなるからといって、矯正治療を押しつけるわけにはいきません。
当クリニックにおいてもデビュー前に歯並びと色をきれいにするように所属事務所から言われて治療を希望して来院する人がいます。職業が一般の人と全然違いますので、患者さんの希望通り、短期間で人に気づかれずにきれいに見えるように審美治療を行ないます。
歯を抜いたり、削ったりする治療を希望される患者さんには、そのデメリットも十分にお話した上で、それでもよければ治療を行ない、治療した以上は少しでも長くいい状態で使用していただけるように十分なアフターケアをしていくようにしています。
八重歯の芸能人が八重歯を抜くと人気が落ちる、と言う占い師や歯科医師がいますが、それは、審美治療によって噛み合わせが悪くなり、体調が悪くなってしまうということが起こりうると言いたいのだと思います。
長い目で人生を考えられている方には、できれば、安易に歯を削ったり、抜いたりして見た目だけを良くするのではなく、正しい噛み合わせを作り、体調も見た目もよくなるように矯正治療を選択して欲しいですね。
Ans.矯正治療と一口に言っても行なっている歯科医院でやり方が違うということを、患者さんは不思議に思われます。
虫歯の治療でさえ、クリニックによって微妙に方法や考え方が違うのですから、大きく噛み合わせを変えていく矯正治療ではその治療方法や治療結果に大きく違いが出てきます。
大きく分けて、治療器材や材料によるハード面の違いと、噛み合わせというソフト面での考え方の違いがあります。
まず、治療器材や材料による違いとして、金属の装置で治療をしていくのか、目立たないセラミックで治療していくのかの違いがあります。金属の場合は、丈夫で壊れたり外れたりしにくいので、治療中のトラブルは少ないのですが、目立つのが難点です。
セラミックの場合は、金属に比べて、壊れたり外れたりしやすいので、結果的に、治療期間が少し長くなってしまう場合もあり、料金的にも金属よりは割高になりますが、目立たないことが最大のメリットです。
目立たないといえば、最近では歯の裏側に矯正装置をつけて治療を行なう、舌側矯正法という方法が注目を集めています。
この舌側矯正法は、人から気づかれずに治療を行なえるというのが最大のメリットですが、治療中はとてもしゃべりにくく、舌が傷だらけになってしまうことや、表から行なう矯正よりも治療期間が長くなってしまうことと、料金がかかってしまうことが欠点です。そして舌側矯正法の場合、多くのケースで、小臼歯を抜歯しないといけないのが最大の欠点です。
次に、骨の成長を抑制するヘッドギアやチンキャップという、頭にかぶる物を使用するのか使用しないのかを治療前に確認しておかないと、後になってこんなものはつけられないということになって、トラブルにもなりかねません。特に大人の場合は、社会生活的にもヘッドギアを受け入れられるのかどうかを確認しておく必要があります。
そして、歯を抜く必要があるのかないのか、外科的手術をする必要があるのかないのかは、歯科医院によって診断が違いますので、治療前にいくつかの歯科医院で相談してみて下さい。
さらに、噛み合わせのゴールに対する考え方は歯科医院によって大きく違いますから、これが最も重要になってきます。
富士山に登るには、車、バイク、自転車、徒歩と、どれがいいかは、早く到達したい人、自分の足で登りたい人など、人の価値観によって違いますので、どの手段が正しいということはないと思います。
治療方法も、どの方法で治療しても正しい噛み合わせが作られるのなら問題はないと思います。
矯正治療におけるゴールは、見た目的にも機能的にも正しい位置に噛み合わせを作ることです。これが、見た目はいいが、機能的には問題があるとすれば、どの治療方法で治療しても患者さんは最終的に満足されないでしょう。
その先生がどういう噛み合わせを正しいと考えているかでゴールが違ってくるのです。噛み合わせの考え方に、唯一絶対の統一された概念がない以上、その先生の治療経験や向学心で治療結果に大きな違いが出てきます。
その意味でも、できれば、治療を受けた人の感想を聞いて、治療するクリニックを選ばれることをお勧めします。
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