■矯正治療は体にいい(インタビュー)

Q.青山先生の話では、矯正治療を全身の健康と結び付けて説明されるので、一般的には実感しづらいのですが、健康の改善が目的で歯列矯正されるという方は増えてきているのですか。

A.私も矯正治療を始めて数年は、見た目をきれいにすることを目的に治療をしていました。

 当初から、治療後に患者さんとお話をしていると、頭痛、肩こり首の痛みなどがよくなったとか、夜によく眠れるようになったとか、生理痛がよくなったとか言われる方があまりにも多くて、ある時期から、全ての患者さんに治療前と治療後に、そういった関連症状を20項目ほど記録していくようにしたのです。

 すると、ほとんどの患者さんが体調の改善を喜ばれるので、正しい噛み合せは、体の不快症状を取り除くことができるということが、私の中で確信に変わっていきました。

 今は、見た目ではなく、体調の改善がメインの目的で矯正治療される方が多くいらっしゃいます。

Q.なぜ歯の噛み合わせと肩こり、頭痛、不眠症などの症状が関係するのですか。

A.それは、噛みあわせが悪い為に、食事などで上下の歯が触れるたびに、顎周辺の筋肉がねじれた位置で収縮し、筋肉に過度の緊張が生じて、異常に収縮して硬くなり、肩こり、首のこりといった、筋肉のトラブルが生じてくるためです。

 筋肉には、意識して動かす筋肉と、無意識で条件反射的に動かす筋肉がありますが、食事は無意識で、一定の動きで連続して食べ物を噛み砕き、食片の塊を唾液と一緒に飲み込むようになっています。

 この一連の筋肉の運動が不自然な動きで行われれば、筋肉にはとても負担がかかってしまうのです。

 また、筋肉のねじれによって、首の頚椎の中の神経や、血管に負担を与えることになり、ひどい生理痛、めまい、吐き気、疲れやすい、頻脈まで、一見、歯とは全然関係のない症状が引き起こされてしまうのです。

 自律神経失調症の人と顎関節症の人の症状がほぼ同様であることは、どちらも交感神経に異常をきたして生じるからなのです。

Q.内科などで、自律神経失調症であると診断された場合、その先生は患者さんに、噛み合わせ治療をしなさいと勧めたりすることはあるのですか。

A.残念ながら、今の医療制度では、それぞれの科が独立して診療を行っている状態であって、各科との連携が十分に取れているわけではないので、他科から紹介されるということはほとんどありません。

 それに、不正な噛み合わせと全身の不快症状の関係は、完全に科学的に証明されているわけではなく、臨床において、結果的に多くの患者さんが改善されたり、治ったりしているということなのです。

 しかし、厚生労働省も、医療費削減の為に本腰を入れて、噛み合わせと全身の諸関係に注目し始めて、力を入れ始めたと聞いています。


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